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Suno v5.5のCustom Models:自分らしいサウンドを学習させる方法

Written by
Sonilo Team
Published
音楽生成AI「Suno v5.5」のカスタムモデル機能(Custom Models)を活用して、自分らしいオリジナルサウンドをAIに学習させる具体的な方法と手順を解説したタイトル画像です。

公開まであと2時間なのに、タイムラインにはまだ音楽が入っていない。動画編集をしていると、そんな場面は珍しくありません。曲を探しては尺に合わせて切り直し、ようやく見つけても「悪くはないけれど、自分の作品らしくない」と感じることがあります。

そこで、この1か月はSunoの日本語公式サイトから使えるv5.5の新機能、Custom Modelsを試してきました。AI音楽の新技術に触れることが目的ではありません。誰かが選びそうな無難な曲ではなく、実際に「自分の作品らしい音」を作れるのかを確かめたかったからです。

音楽生成プラットフォーム「Suno v5.5」のトップ画面。日本語プロンプトで「観葉植物に水をやりながら聴きたいジャズを作って」と入力し、直感的に高品質な楽曲を生成できるインターフェースを紹介しています。

機能を試せることと、実際の制作に組み込めることは別です。この記事では、Suno v5.5のCustom Modelsの仕組み、利用条件、作成手順、向いている使い方を整理します。あわせて、この機能だけでは解決できない部分も確認します。

先に結論:試す価値はある?

評価項目りこの判断
おすすめできる?一貫したサウンドがあり、そのバリエーションが必要ならおすすめ
最大の強み一般的なプロンプトではなく、自分の曲をもとにモデルを調整できる
最大の制限動画のシーンを解析せず、フレーム単位のタイミング調整もできない
向いている人独自のスタイルを持つアーティスト、一貫した音楽イメージが必要なブランド

確認できたこと

  • 確認済み:6曲以上をアップロードし、最終テストでは8曲を使用。2つのCustom Modelsを作り、12種類の生成結果を書き出した
  • 確認済み:利用にはProまたはPremierが必要。Freeでは利用できない
  • ⚠️ 可能性が高い:最低6曲から始められるが、曲数を増やすと一貫性が高まりやすい

Suno v5.5のCustom Modelsとは

楽曲生成AI「Suno v5.5」のバージョン選択ドロップダウンメニュー画面です。「v5.5 Pro」を選択し、新機能である「Create Custom Model(カスタムモデル作成)」ベータ版にアクセスする手順を示しています。

Custom Modelsの公式ガイドでは、自分が権利を持つ曲をアップロードできます。そのスタイルやサウンドに合わせて、v5.5を調整する仕組みです。プロンプトだけで「明るいアコースティックギター」と指定するのではなく、「自分が作った曲はこの8曲です。この方向性をもとに新しい曲を作ってください」と伝えるイメージです。

既存曲をそのまま複製するための機能ではありません。テンポ、楽器構成、ボーカルの質感、ミックスの傾向などを手掛かりに、新しいバリエーションを生成します。独自のサウンドを持つアーティストなら、毎回ゼロからプロンプトを考える手間を減らせます。音楽イメージを統一したいブランドにとっても、繰り返し使える出発点になります。

ただ、Custom Modelsが判断まで引き受けてくれるわけではありません。自分らしい方向へ生成を調整するツールであり、出てきた曲が制作に使えるかは、最後に自分で聴いて決める必要があります。

利用できるユーザー

ProとPremierの利用条件

Custom ModelsはFreeプランでは利用できません。Sunoの料金プランで対象になっているのは、次の2つです。

  • Suno Pro:月払い10ドル(年払いでは月額換算8ドル)
  • Suno Premier:月払い30ドル(年払いでは月額换算24ドル)

どちらのプランでもCustom Modelsを作成できます。ただし、生成量、利用できる編集機能、Suno Studioへのアクセスなどには違いがあります。

音楽生成AI「Suno」のサブスクリプション料金プラン画面。ProプランおよびPremierプランの特典として、「最新かつ最もパーソナルなSuno v5.5モデルへのアクセス」が含まれていることを青い枠線で強調して説明しています。

最低アップロード数と権利の条件

モデルの作成は最低6曲から始められます。曲数を増やすほどサウンドの共通点を伝えやすくなりますが、開始条件は6曲です。

もう1つ、曖昧にできない条件があります。アップロードするすべての曲について、Sunoへ提供し、モデルの調整に使うために必要な権利を持っていなければなりません。Sunoの利用規約では、必要な権利、ライセンス、同意、許可をユーザーが確保するよう求めています。

私がテストに使ったのは、自分が権利を持つ8曲です。音楽素材サイトやストックコレクションの曲は、通常の動画利用が認められていても、モデルの調整に使えるとは限りません。ライセンスの範囲を確認できない曲は、アップロードしない方が安全です。

Custom Modelを作成する手順

曲を準備する

まず、モデルに覚えさせたい方向が共通している曲を選びます。ジャンルも制作方法も大きく異なる曲をまとめると、どの特徴を残すべきかが曖昧になりやすいためです。

アップロード前に確認したいのは、次の3点です。

  • WAVまたは高ビットレートのMP3など、音質の良いファイルを用意する
  • モデルに反映したいスタイルが曲同士である程度そろっている
  • すべてのファイルについて、アップロードとモデル調整に必要な権利を持っている

曲をまとめてアップロードする

Sunoでは、次の順番で進めます。

「Suno v5.5」で独自のカスタムモデルを作成するための設定画面。「Name your model...」という入力欄と、最高の学習結果を得るために24曲以上のオーディオファイルアップロードを推奨するインターフェースが表示されています。
  1. Create画面のモデル選択メニューからCreate Custom Modelを開く
  2. 曲をまとめてアップロードする(最低6曲。公式資料には上限の記載なし)
  3. Create Custom Modelを選ぶ
  4. 後から見分けやすいモデル名を付ける

私の場合、8曲のアップロードには約5分かかりました。

モデルを作成して結果を確かめる

アップロード後、Sunoが曲を処理してCustom Modelを作成します。公式ガイドでは、モデルが使えるようになるまでの目安は約2〜5分です。準備が終わると、モデル選択メニューに新しいモデルが表示されます。

最初から大量に生成する必要はありません。まずテスト曲を作り、自分のサウンドの特徴が反映されているかを聴きます。結果が大きくずれているなら、先にアップロード曲の組み合わせを見直します。プロンプトだけを何度も直すより、原因を切り分けやすくなります。

最初のモデルから3曲を生成したところ、2曲は自分の方向性に合っていましたが、1曲は少し違いました。この程度のばらつきは想定内です。Custom Modelsは出発点であり、毎回同じ精度を保証するものではありません。

特にメリットが大きいクリエイター

一貫したサウンドを持つアーティスト

ボーカルの質感や楽器構成、制作スタイルが定まっている人なら、Custom Modelsを基準として使えます。毎回ゼロからプロンプトを組み立てなくても、同じ方向性を持つバリエーションを生成できます。プロンプトだけで作るより、自分の音へ近づけやすい方法です。

音楽イメージを統一したいブランド

複数の動画やキャンペーンで同じ雰囲気を維持したいブランドにも向いています。参考曲をまとめてアップロードすれば、共通するサウンドを持つバリエーションを作れます。同じ1曲を繰り返し使わずに、選択肢を増やしたいときに便利です。

複数のキャンペーン案を作る制作会社

クライアント向けに複数の音楽案を用意しながら、全体の方向性もそろえたい場合に役立ちます。以前のプロジェクトで使った8曲から、新しく4曲を生成してみました。そのうち3曲は、元の作品群に入っていても違和感のない仕上がりでした。

Custom Modelsで解決できないこと

サウンドトラックの正確なタイミング

Custom Modelsは、動画のカットやタイムラインに合わせて音楽を生成する機能ではありません。基準になるのはスタイルであり、シーンのタイミングではないからです。たとえば、0分32秒で特定のビートを入れたい場合は、生成した曲をタイムラインに置き、自分で位置を調整する必要があります。

動画のシーンを理解した劇伴生成

Custom Modelsは動画素材を解析しません。ゆっくりした場面から速いカットへ切り替わる位置も、商品が初めて映るタイミングも分かりません。Suno v5.5のアップデートで中心になっているのは、音の表現力とパーソナライズ機能です。Custom Modelsに動画解析機能は含まれていません。

つまり、この機能がそろえるのはサウンドの方向性です。映像の展開に応じて音楽を変えるアダプティブな劇伴生成とは、役割が異なります。

毎回同じ精度でスタイルを再現すること

同じモデルから12回生成したところ、自分の方向性に合っていたのは8曲で、残りの4曲は少し外れていました。AI音楽生成の結果にはばらつきがあります。つまみを決まった位置に合わせれば毎回同じ結果が出る、という種類のツールではありません。

よくある間違い

権利を持っていない曲をアップロードする

自分で制作しておらず、必要な権利も持っていない曲はアップロードしないでください。Sunoの利用規約では、アップロード素材について、ユーザーが必要な権利や許可を持つことが求められています。テストには自分の作品か、モデル調整への利用まで認められていると確認できた曲を使います。

フレーム単位で映像に合う音楽を期待する

Custom Modelsは動画のタイムラインに同期しません。音楽を生成した後、映像のカットに合わせて編集する必要があります。自動でタイミングまで合わせた劇伴生成を探しているなら、この機能は目的と異なります。

DAWの代わりとして使う

Custom Modelsは、自分のサウンドに合わせてモデルを調整し、音楽を生成するための機能です。それ自体が、細かな編集やミックスを完結させる制作環境ではありません。生成後のステム編集やアレンジ調整には、Sunoの編集機能、Suno Studio、または外部DAWを使います。利用できる機能は契約プランで異なるため、先ほどの料金ページも確認してください。

FAQ

Custom Modelを作るには何曲必要ですか?

最低6曲です。曲数を増やすとスタイルの共通点を捉えやすくなりますが、6曲あれば作成を始められます。

アップロードする曲の権利を持っている必要がありますか?

はい。自分で制作した曲、またはモデルの調整に使うために必要な権利や許可を持つ曲だけをアップロードしてください。

複数のモデルを作成できますか?

はい。Suno v5.5の公式ヘルプでは、ProとPremierのユーザーが作成できるのは最大3つです。

プロンプトだけで生成するより優れていますか?

目的によります。一貫したスタイルがあり、そのバリエーションが必要ならCustom Modelsの方が効率的です。方向性を決めずにさまざまなアイデアを試したい場合は、プロンプトだけで生成する方が早く進められます。

結論

Suno v5.5の新機能紹介画面。オリジナルモデル作成とボイスレコーディング機能を強調したUI。歌詞入力や音声波形、録音ボタンが表示された公式プロモーション画像。

Suno v5.5のCustom Modelsが向いているのは、すでに自分のサウンドがある人です。特に、その方向性を保ったバリエーションを増やしたいときに役立ちます。逆に、動画のタイミングへ自動で合わせたい人や、毎回同じ結果を求める人には、この機能だけでは足りません。生成後の編集や仕上げも残ります。

それでも、無難な生成結果を探してプロンプトを直し続けるより、自分の曲を基準にした方が「自分らしい音」へ早く近づけます。今回は8曲を使って2つのモデルを作り、12種類の生成結果を書き出しました。試すなら、まず6曲を選び、最初の3曲が同じ方向を向いているか確認すると判断しやすくなります。

音楽生成で今も一番時間がかかっているのは、プロンプト作り、編集、それとも自分らしい音へ近づける作業でしょうか?